The Heritage Foundation
Paul Krugman.iconアメリカ右派の疑似シンクタンク
2025-11-14 "The Decline and Fall of the Heritage Foundation"
ヘリテージ財団がガタガタになってる件。タッカー・カールソンが白人ナショナリストで反ユダヤ陰謀論者のNick Fuentesをポッドキャストに呼んで炎上。そしたらヘリテージ財団のケビン・ロバーツ会長がカールソン擁護の動画を出し、批判を「グローバリスト階級」(ユダヤ人への定番の当てこすり)のせいにしたもんだから、それはそれで大炎上。自分で設けていた反ユダヤタスクフォースのメンバーが続々辞任する羽目に。
メディアは「いい組織が悪いリーダーに乗っ取られた」みたいな論調で報道してるが、クルーグマン言わく、ヘリテージは最初っからインチキだ。研究機関のふりをした宣伝機関、つまり詐欺。長年バレなかっただけ。
具体的に何がインチキかというと:たとえば相続税廃止キャンペーンで「中小企業や農家への大打撃」とさんざん喧伝したが、2004年に実際に相続税を払った中小企業・農家はたった300件。桁を間違えたわけじゃない。要するに金持ちのために嘘をつく機関だっただけ。
ヘリテージの本来の役割はRonald Reagan時代向けに設計されたもの:金持ちが反動的な政策(減税・規制緩和)を通すために、表向き「学術的」な衣をまとわせてくれる便利屋。それが機能したのは、差別や偏見を「上品に」包んでやる仕組みがそれなりに有効だった時代の話。
MAGA時代になって、その役割が使えなくなってきた。今どきの右翼は、ただ金持ちのために嘘をつくだけじゃ足りない。性差別・人種差別・反ユダヤ・陰謀論まで明示的にやらないといけない。ヘリテージも時流に合わせてドンドン「グロイパー化」(フエンテスが代表する人種差別・反ユダヤ運動への染まり)が進んでた。
**チーフエコノミストの人選がその劣化を象徴してる。**2014年就任のスティーブン・ムーアはとにかく数字が壊滅的に間違ってることで有名な人物(差別的ではないが無能)。現チーフのE・J・アントニはそれ以上に無能なうえ、削除済みTwitterアカウントではカマラ・ハリスへの性的侮辱、クルーグマンや前FBI長官らを「ペドフィリア」と呼ぶ投稿を連発してた人物。つまりもう「経済の嘘」より「差別・陰謀論」側にシフト済み。
ヘリテージの今を見て「名門が堕落した」と嘆く必要はない。もともとそんなもんだった。変わったのは、金持ちのための嘘に加えて、あからさまな差別と陰謀論が必要とされる時代になったということ。驚いてるとしたら、ずっと見てなかっただけ。